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MODEL STORY

タイトルなんてどうでもいい。 5日目 気を失う美女たち

2020年4月4日

海外モデル契約90日

5日目:気を失う美女たち

午後1時。

今日は珍しくルームメイト3人とも撮影で朝からおらず、私は1人家でオーディション情報が届くのを待っているところだった。

昨日みたいなことにならないように午前10時からスタンバって、マネージャーから連絡が入るか入らないかとソワソワしながら既に3時間が経過…

今日はオーディションがない日なのか?

昨日の公開処刑で披露させられた棒読みの演技とセクシーダンスはかなり引きずっているけど、オーディションに行かないという選択肢はない。

ちゃんとトイレでセクシーダンス練習したから次踊らされても大丈夫なはず…。

リビングのテレビをつけ、何を言ってるかさっぱり分からない海外ドラマを見ながら待っていると、すぐ横の玄関のドアがガチャガチャ鳴り出した。

家に入ってきたのは隣の部屋のソフトフェイス美女だった。

私:「あれ、帰ってくるの早いね?」

私より3日程先に現地に到着し、契約を開始したこのブラジル美女。

ソフトフェイス美女:「うーん…。」

手には氷を持っていて明らか様子がおかしかったため、何かあったのか尋ねた。

ソフトフェイス美女:「撮影中にね、気絶したみたい。」

は…??

そんな経験は初めてらしく、彼女も不思議そうに伝えてくる。

突然目の前が真っ暗になってそのまま記憶がないらしい。

そんなことあるのか…?

前日の夜からあまり体調が優れなかった彼女は

朝スタジオに着いてマネージャーに連絡をし、具合がよくないことを伝えた。

今日の彼女のスタジオ入り時間は朝6時半…。

モデルの入り時間が早いのは万国共通なんだな…。

マネージャーからの返事は、

「とりあえずできるところまで撮影を続けて」

だったらしい。

撮影中短い休憩を何回か挟んだけど彼女の体調は一向に良くならず、

それでもクライアントの指示通り笑顔を作り続けた。

そのうち笑顔さえもしんどくなり視界の半分が暗くなっていって、みんなの声も遠のいていって最終的に気絶。

ソフトフェイス美女のその「できるところまで」は気絶するまでだった。

で、記憶が戻った時には床に倒れていて、クライアントやスタイリストが彼女の顔を上から眺めてたとか。

流石にそれを見たクライアントは撮影を中断しざるを得なくなり、仕事を終わらせれなかったことで少し不機嫌だったらしい。

心配しなかったんだ…。

彼女はポージングをしながらそのまま横に倒れて頭を床で打ったらしく、その後帰宅する車の中で打った部分を氷で冷やしていた。

脳震盪とか起こさなくてよかった本当に。

私たちの仕事って立ってポージングしてるだけで傍から見たら簡単そうなんだけど、実は結構これが体力勝負で、熱っいライトとかフラッシュを常に浴びているから体力の消耗が半端ない。

ショッピングに行って試着室で10着とか着替えるとなかなか疲れるのと一緒で、撮影時はそれを何時間も繰り替えすうえに、次々違うポージングしないといけないから思っている以上に頭を働かす。

運動した時の疲れとはまた全然違う、ぐったりとした疲労感に襲われることが私も今まで何度も撮影後にあった。

彼女は明日の朝、今日の続きを終わらせにまたスタジオへ行かないといけないらしい…。

過酷すぎるように感じるんだけど、そんなものなのかな…。

気絶した子を次の日から働かせるのか、と思ったけど私も契約が始まったばかりだから、海外のモデル業の厳しさがいまいち分かっていない。

きっと到着してこの1週間ほど撮影にオーディションにとハードスケジュールをこなしていた彼女の体が限界に達したんだと思う。

そのうえ体型管理のため、食事制限もしジムにも毎日行っているし。

病院に行くにも現地に着いたばかりでどこが良いのかも分からないから、とりあえず彼女は一日休むことにし、フラフラと自分の部屋に入っていった。

ソフトフェイス美女が閉めたドアを眺めながら考える私。

海外契約半端ねぇわ…。

数秒程ぼーっとしてると私の携帯が鳴って、マネージャーからのオーディション情報が入った。

今から運転手が迎えに来るらしい。

また急だわほんとに笑

*****************

車で1時間程で会場に着き、他のモデルたちを追って部屋に入った。

今日のオーディションは洋服ブランドの新作のモデルを決めるものだから、昨日みたいに演技ではなく写真撮影のみのオーディションだった。

椅子が並べられていて、前に白壁のスタジオが設置されている。

席に着くよう指示され、たまたま隣に座っていた欧米系美女に話しかけられた。

またこの子もめちゃくちゃ細くて背高くて、自分の体が嫌になる。

欧米系美女:「どこの事務所なの~?」

見た目がっつり海外モデルだから話しにくいのかと思ったら意外に優しそうな子というか大人しめな子で、別事務所だけど彼女も数日前に着いたばかりらしい。

他にも新人がいて内心ほっとした私は、順番を待っている間ずっと彼女と話していた。

ようやく彼女の番号が呼ばれカメラマンの前に立つ。

20枚ほどパシャパシャパシャ~って連続で撮っていくんだけど、少し緊張気味の彼女。

表情が硬いというか動きがぎこちなく感じる。

次の瞬間彼女の動きがいきなり止まった。

と思ったらそのまま後ろに倒れて行った。

きれーーな女の子がきれーーに倒れて行った。ロングヘアなびかせながら、後ろにぴゅーーって優雅に。

で、そのまま壁に頭ぶつけてバウンドして床に倒れた彼女。

壁打ちのボールを見ているようだった。

もう見てるモデルたちは私含め驚きすぎて誰も動けず、

数秒したら彼女は何事もなかったかのように目を覚まし立ち上がろうとして、

会場スタッフが急いでその子の助けに入った。

さっきまで普通に私と話していたのに…。

そのまますぐ近くの椅子に運ばれ、休むように指示される美女。

オーディションが再開され、ちょうどその子の次が運悪く私の番なんだけど、

ま~今目の前で起きたことが衝撃的過ぎて

そんなすぐに気持ち切り替えれんわって思いながら、

絶対受からないであろうぎこちないポージングをみんなに披露した。

 

*****************

帰りの運転はまた渋滞に巻き込まれ、アパートに着くころには既に外は真っ暗。

家に入ると気強めベネズエラ美女がキッチンでいつも通り夜の軽食を作っていて、私は今日あったことを全て話した。

えー!ヤバいねー!っていう返事を期待していたけど、彼女の返事は真逆だった。

気強めベネズエラ美女:「あ~。たまにいるのよね~倒れる子。」

慣れた様子で返事をする気強め美女。

たまにいるんですか…?

モデルが気絶するところは流石に日本では見たことないけども。

国が変わると食生活も一気に変わるし、慣れない環境で緊張状態が続くし、自分が思っている以上に体に負担がかかってるんだと思う。

そのうえモデル事務所は特に今のところ新人モデルの私に対して何のアドバイスもくれてないし、頼りにできるのは先に現地に到着したルームメイトたちの情報のみ。

きっと私の体も全然疲れとれてないんだろうな。

 

抜け殻みたいにリビングのソファーに座っていた私のもとに、マネージャーから明日撮影が入ったというメッセージが届いた。

海外契約、私の初仕事が決まった。

 

モチベーション    ★★2

ピュア度

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★32

華麗な気絶度        ★★★★★★★★★★★★12

 

このストーリーは実話に基づいています。

次のお話↓

タイトルなんてどうでもいい。 6日目 人生初めての気絶か

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前回のお話↓

タイトルなんてどうでもいい。 4日目 公開処刑セクシーダンス

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モデル裏話ストーリー 第1話目↓

タイトルなんてどうでもいい。 1日目 美女たちとのご対面

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