物価が安く低予算の海外旅行先として人気の街、ホーチミン。オーダーメイドやクラフト体験が安価で簡単にできてしまうのも、ホーチミンの大きな魅力だ。
今回はそんな街で香水のDIY (Do It Yourself) 体験ができると聞き、世界に一つだけの香水作りにチャレンジしてきた。
好きな香水を見つけるのは難しい
私事だが生まれてこの方27年、女性の代名詞ともいえる香水を付けたいと思ったことがなかった。香水特有の鼻に残るツンとした香りがどうも苦手で、どちらかと言ったらふんわりと香るシャンプーや柔軟剤派。
先日好きな人から高級ブランドの香水をプレゼントして頂き、人生初マイ香水を手に入れ毎日それを付けている。
が、実はそれも全くいい香りとは思えない。彼にもらったことが嬉しくて付けているだけ。
え~ありがと~♡ いい香り~と完璧な女を演じながら受け取ったから、もしこの記事を読んだら彼は今頃絶句しているだろう。
次会った時に可愛く謝っておこう。
次があれば…。
そんな私がたまたま立ち寄ったスキンケアショップで、香水のDIYのワークショップを実施しているローカルブランドがあることを知る。
値段は10mlでおよそ300,000 VND (約1500円)。
この値段でオリジナルの香水が作れると考えるとお得感がすごい。
香水作りワークショップ「ナウナウ "NauNau"」
これはいいチャンスだ!と思い、早速フェイスブックページから予約を取り、迎えた当日。
場所はホーチミン2区、タオディエンにあるスキンケアブランドの「ナウナウ "NauNau"」。
人気インテリア雑貨屋さんのサデック・ディストリクトと同じ一角に位置するローカルカフェの「サイゴン・オイ "Saigon Oi"」。このカフェとナウナウが提携しており、ナウナウの香水ワークショップはこのカフェ内で開催されている。
サデック・ディストリクトのすぐ向かいにあるサイゴン・オイは、お洒落な洋服屋さんやカフェもある小さなアウトドアのプラザ内に位置する。
タオディエンと言えば欧米人街として知られていて、ホーチミン中心街の1区から車でおよそ20分程の所にある。人が多く活気あふれる1区とは違い、タオディエンは道幅も広く街全体が落ち着いており、この地区だけ時間の流れがゆっくりに感じる。
「nau nau」いざ、香水作りへ!
約束の時間に向かうとスタッフの方がカフェに案内してくれた。
カフェに入ると香水作りのテーブルが用意されている。
香水ワークショップは頻繁には開催されていないのか、今回は私たちのグループのみだったのでテーブルは1つ。早速席に着く。
テーブルの上に学生時代よく目にした物が置いてある。
科学の授業やでー!と興奮するイタいアラサー2人。
最初に、優しそうなスタッフさんが丁寧に手順を説明してくれる。用意されているものは説明書、自分好みのアロマを記入する紙、メスシリンダー、そしてアロマを混ぜるガラス棒。
今日こそは自分好みの香りを手に入れる!!と意気込み、いざ科学実験を開始する。
「nau nau」香水作りの手順
作り方は至ってシンプル。10種類あるアロマから、2~3種類自分の好きなものを、好きな量入れて混ぜるだけ。
サイズを選ぶ
まず初めに香水容器のサイズを選ぶ。一番小さいサイズが10ml。初めての香水作りには十分なサイズ感。
もう1つ大き目のサイズがあったが、小さいサイズと即答した私は価格も容量も全く覚えていない。興味のないことはすぐ忘れる都合の良いノマド女。
アロマを決める
次に10種類のアロマを1つずつ嗅いでいき、混ぜ合わせる2,3種類を決める。「Spice」や「Tobacco」は少し癖のある香りで、メンズ用の香水として使えそう。
香水作りの全てを決める大切なアロマを決めるために、必死で香りを嗅ぐ私。
開始1分で鼻が馬鹿になる。
どれも同じ香りに感じ出し、開始早々躓く。アロマを3つに絞るのも難しいうえに、香りの足し算が全くできない。なかなかの想像力が必要な気がする。
そういう時は、アロマの紙を2,3枚一緒に持って嗅ぐと香りが分かりやすくなるそう。
即決めした友人とは対照的に、これも良い、あれも良い、と全く先に進まない私。
しびれを切らせた店員さんが、説明書の裏のページを見せてくれた。参考にできるアロマの組み合わせが載っている。
頑固な私は相づちだけ打って、アロマ選びの作業に戻る。折角だからオリジナルが欲しい。
最終的に私が辿り着いた3種類は「Fruity」、「Herbal」そして「Musk」。
アロマごとに割合を決める
アロマの種類を選んだら次は各アロマの大体の分量を決める。どの香りをメインにするか、割合を決め実際にメスシリンダーに少し入れて混ぜる。
少し足しては嗅ぎ、足しては嗅ぎを繰り返し、自分のお気に入りの割合を見つけ出す。
若干酸欠気味の私 ↓ (必死さは表情から理解して頂きたい。)
やっとのことで満足いく香りを割り当てたが、継ぎ足す作業を繰り返したせいで、何をどれだけ入れたのか思い出せず一瞬作業が止まる(良い子はちゃんとメモを取ろう)。
まぁ多分こんな感じなはず、と半分投げやりになる。
割合に沿ってアロマを追加する
割合が決まれば目盛りに合わせてアロマを順番に入れていく。フル目盛りまで入れると香水は完成。
あとは10mlの香水の容器に移し入れるだけ。
オリジナルの名前を付ける
いろいろと戸惑う点はあったものの、1時間弱で香水作りは終了した。
そしてここで最後の難関。名前シールを作成してくれるという。
「12文字以内で名前を決めてください」
いろいろと考えるが12文字以内に収まらない。
あーでもない、こーでもない、と考えやっとのことで12文字に収まる名前を思いつく。
最後に裏面を剥がして自分の香水ケースに貼ったら出来上がり。
初のオリジナル香水の出来栄えは
支払いを済ませ、初のオリジナル香水を手に入れ大満足な私。早速手首に振りかける。
「なんやこれ、甘ったる!」
少なめに入れたはずの「Fruity」の存在感が凄い。完全に他の香りを消している。どこかで割合がずれたのか、鼻が途中から機能していなかったのか、とりあえず想像していた香りからは程遠い。
友人が作ったマイ香水も、期待外れの香りに仕上がったらしく、何ともいえない空気に包まれる2人。
嗅いでは首を傾げ、考えるを繰り返す。見たことのない食べ物を嗅ぐ子犬状態(そんな可愛いもんでもない)。
その後もお互いの香水を、トイレの消臭剤の匂いだの、100均にある香水だの、ぼろ糞に言い合う関西出身の2人。
香水作りは奥が深い
結果、失敗。
今回の科学実験は失敗に終わったと言える。
少しの量でも変化するアロマの香りを理解するには、なかなかの経験やセンスが求められる気がした。
それに加え、紙に付けた時と肌に付けた時とでは香りの印象が若干変わる。香水って体温で香りが変わるらしく、付ける人によっても若干香りが変化するんだって。
良いこと満載、香水作り
出来栄えはさておき、ワークショップとしては非常に楽しむことが出来た。
作ってその場で持ち帰れるうえに嵩張らない!お土産としても最強。短時間で作れるため弾丸ツアーにもおすすめ。とても価値のある体験だったと思う。
友達と一緒に行くのもよし、デートとして行ってお互いにプレゼントし合うのもよし、旅の思い出を手作りするのはいかがだろうか。
ホーチミンに来る際は旅のプランとして是非参考にしてもらいたい。
お気に入りの香りを生み出せなかった私は結局この日はしぶしぶと帰ることに…。
自分好みの香水探しの旅はまだまだ続くようだ。
お店情報
今回のお店の詳細がこちら↓
"Saigon Oi" この中に今回のDIY Studioがあります。【要予約】
住所:63 Xuan Thuy, Thao Dien, District 2, Ho Chi MInh
Facebook : https://www.facebook.com/naunauvn/
Facebookメッセージより英語またはベトナム語での予約が必要です。