ワクワクするお店に行きたい!1人で行っても雰囲気を楽しめるお店に行きたい!
そう考えたときにパッと浮かび上がったのがチョコレートメーカー専門カフェの「メゾン マルゥ ”Maison Marou”」。
このマルゥカフェといえば日本人にも大人気のお店で、観光ガイドには必ずと言っていいほど載っている。
高級チョコレート「メゾン・マルゥ MAROU」
「ローカルのチョコレート屋さんがあるから連れて行ってあげるよ」
一時帰国前のちょうどお土産ショッピングをしたいタイミングで友人に連れていってもらったマルゥ。
ローカルのチョコレート屋さん....
その言葉を聞いて、小さなレトロ風のお店を勝手に想像しながら友人とバイクに乗って早速向かった。
ホーチミン中心部に位置するマルゥは人気観光スポットのベンタイン市場より徒歩10~15分。何も考えずバイクの後ろにぽけ~っと乗っている間に到着。自転車にしてもバイクにしても後ろの身ってほんと楽だわ。
「これがローカル?」
想像していたものとは全く違うショップ外観。ガラス張りのモダンな見た目はアメリカのインテリアショップを思い出させる。
ドアを開けると広がる開放的で色鮮やかなカフェは、欧米テイストの造りこみが施されており、店内全体がぷ~んと香ばしいカカオの香りに包まれている。
色取り取りだがごちゃごちゃした感じは一切なく、落ち着いた音楽が流れていることもあり、とても居心地が良い。
真ん中のスペースには持ち帰り用のチョコレートが並んでいて、お土産として買って帰る欧米人や日本人観光客が目立つ。
下がマルゥ定番の板チョコ。並んでいる商品はどれもパッケージが可愛く印象的。
外観だけでなく、調理スペースもガラス張りになっていて、次々と出来上がる華麗なチョコレートケーキに目を奪われる。
日頃から観光客にカメラを向けられているからだろうか、一眼レンズにしつこく撮られても全く動じない職人さんたち。むしろ魅せてくる。
これでもかというぐらい彼らにカメラを向ける私と、これでもかというぐらい魅せてくれる彼ら。サービス精神がすごい。
マルゥ 100年前のカカオ豆挽き機
カフェ1番の見どころは、何と言っても入口すぐにある巨大なカカオ豆挽き機。このビンテージ豆挽き機は1930年代のもので、フランスで購入後ベトナムに輸送したという。100年弱前のフランスの豆挽き機が、ここホーチミンで目にできるとは!
「カフェと工場を同じ屋根の下で」
ショップと工場を同じ空間に置きたいというオーナーさんたちのこだわりのもと作られた店内は、見どころ満載でまさにちょっとした工場見学をしているよう。
一通り店内を見終わって、やっとカウンターに辿り着く。何ならこのまま帰っても満足な気がする(良い子は利益に貢献していこう)。
ディスプレイに並べられた綺麗なケーキ。どれも美味しそうで一つに絞るのが大変。
全く決まらず後ろのお客さんたちをイラつかせる私…。天秤座は優柔不断だから仕方がないね。
ケーキ1つで550~750円…。物価が日本の3分の1と言われているベトナムにしてはなかなかのお値段…。完全に高級感を売りにしている。
店内は9割以上が富裕層の在住者と外国人観光客。こういう時についつい日本との物価を比べてしまう私は、まだまだ富裕層の仲間入りはできていないんだろうな、と並びながらふと考える。夢あるチョコレートワールドで一瞬現実に引き戻される。
こんがりと焼きあがっているクッキーとチョコレートがずっしり詰まっているブラウニー (約300円)↑
こちらのマカロンとジンジャークッキーはクリスマススペシャルメニュー↑(のはず)
女性パティシエが創り出したチョコレートアート
目でも楽しめるこのチョコレートスイーツは、フランス人パティシエのステファニー・オブリオ(Stephanie Aubriot)によって生み出されたと言われている。
先祖代々パン職人の家系で育った彼女は、マルゥチームから熱烈なスカウトを受けた。
元々インターコンチネンタル・ダナンにある三ツ星レストランの「La Mason 1888」をオープンしたシェフの王様、ミシェル・ルー家系と共に仕事をしていた彼女が、マルゥチョコレートの魅力とオーナーさんたちの熱意に負け、ミシュランレストランを去ることを決意。2013年にマルゥの一員となった。
活躍している女性って本当に素敵だねー。
ほろ苦い上品質のチョコレート
マルゥのチョコレートはどちらかと言うとビター寄り。甘~いミクルチョコレート派にはもしかしたらマルゥの魅力は分かりずらいかもしれない。
チョコレートタルト ”Tarte au Chocolat"
上品なダークチョコレートの味が効いている大人なビターチョコレートタルト。スーパー濃厚なチョコレートに途中でギブアップするお子ちゃまな私。
ピーナッツ・チョコレート・タルト "Peanut Chocolate Tarte"
チョコレートクリーム、カスタード、そしてピーナッツバターの3層になっている。いろんな味が楽しめるため、チョコレートタルトより食べやすく、こちらはぺろりと完食。
チョコレートクッキー "Chocolate Cookie"
そしてこちらが私のお気に入り。
塩味が効いていて、これもまた甘すぎず濃厚なカカオの味が口いっぱいに広がる。分厚さがあり食べ応えがすごい。ダラットミルクと一緒に食べると更に美味しさが増す。
どのスイーツも濃厚なチョコレートがふんだんに使われた贅沢な仕上がり。どれも値段以上の価値がある気がした。
マルゥのこだわり 「チョコレートのみで勝負する!」
ベトナム生まれのマルゥは、2011年にアメリカン人とフランス人の共同経営のもとオープンした。
ブランディングはもちろんのこと、カカオ豆の質には一層こだわる彼ら。メコンデルタに位置するTan Phu Dong 島で採取されるマルゥのカカオ豆は全て彼らが一つ一つ選定に携わっているという。
チョコレートスイーツ以外は一切提供しないという信念を貫くマルゥ。のんびりとくつろげるカフェスペースはあるが、サンドイッチやオムレツなどの軽食は一切提供していない。
ベトナム日本人婦人会などにも手厚いプロモーションを定期的に提供しているマルゥ。調べてみると共同オーナーの1人であるサミュエル・マルタさんは日系フランス人。
日本人受けのブランディングやアプローチを理解しているのも彼がいるからかもしれない。
見どころたっぷりのマルゥで退屈しない時間を過ごせそう。
この記事を書いている間よだれが止まらなかった私は、今からまたマルゥへ行って濃厚なチョコレートスイーツを頬張りたいと思う。
お店情報
今回のお店の詳細がこちら↓
"Maison Marou Saigon"
住所:167-169, Calmette, Phường Nguyễn Thái Bình, Quận 1, Hồ Chí Minh
営業時間:9:00 ~ 22:00 (平日) 9:00~23:00 (土日)