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MODEL STORY

タイトルなんてどうでもいい。 2日目 力尽きるスリーサム男

2020年4月1日

90日海外モデル契約

目次

2日目: 力尽きるスリーサム男

 

結局なかなか昨夜は寝つけなくて、暗い部屋で1人ベッドに横になりながら日本にいる友達とラインをしていた私。

やっとのことで寝付いたのは夜中1時ごろ…。

数時間したら今度は他のモデルたちが帰ってきて、アパートに入るや否や、3人の話し声とか笑い声とかがリビングから聞こえてきて、

あの~私ここにいるのお忘れですか~って思ったぐらい。

昨日到着したばかりだから仕方ないか。

そのうえ同じ部屋のひょろひょろロシア美女とは朝方エアコンのリモコンの争奪戦が続いた。

適温16度のめちゃくちゃ暑がりな彼女と、適温26度のめちゃくちゃ寒がりな私。

10度の差はなかなか埋められない。

彼女が寝静まった頃にエアコンを私の適温に調整するんだけど、彼女もまぁ予想通り同じことをしてて、朝方「寒っ!」って目が覚めて温度調整して、であっちもきっと「暑っ!」って目が覚めて、それの繰り返し。

流石ロシア人は寒さに強い。

寝不足だし体は冷え切ってるし時差ボケもあるし、旅の疲れが全然とれない中、リビングのすぐ横にあるキッチンにトボトボ歩いて行った私。

時間は朝8時。ルームメイトはみんなまだ寝ているから、限られた一人の時間を楽しめる。

それにしても4人で住むにしてはスペースがなさすぎる…。

お腹は空いてるはずなのに、もう感覚が麻痺してるのか、まだ体が初めての環境で緊張してるからか分からないけど、あまり食欲はなくて。

お茶もジュースも何もないけど体には何かいれないといけないから、とりあえずお湯でも飲もうかって思ったらケトルがないことに気付いて、ケトルがない家なんてあるのかって考えながら仕方なしに電子レンジで水を温めることにして、

朝一番に白湯飲むなんていつから自分はそんな健康志向になったんだ、

って考えてたら隣から何かスース―聞こえてきたから

リビングのソファーをパッて見たら、

上半身裸の男が寝ていて叫びそうになった。

同じ空間にいないべき人間がいることほど怖いものはないんだな。

女4人で住んでいるはずのアパートに…男。

誰だ、昨夜男を連れ込んだのは…。

寝てるけどもの凄いイケメンなのは分かる。寝顔が美しすぎるうえに、ガタイは無駄に良くて、色白にブロンドヘアの若い男。モデルっぽい。

こんな狭いシェアハウスで男連れ込むなんて本当に勘弁してほしい。しかも私がまだ到着して2日目の朝って。

数秒固まってる間に電子レンジが

チーンっ!って鳴って

彼を観察する試合終了合図みたいになってしまって

その合図と共にソファーの裸男がゴソゴソと動き出した。

あーやばい、起きるな起きるな!

キッチンとリビングで8畳ほどしかないから、起きられると非常に気まずい空間になる。しかも私は白Tシャツにノーブラだし、黒髪ロングはボサボサで無駄にホラー感が出てて貞子だし

電子レンジのドア開けるべきか、中の白湯放って自分の部屋に戻るべきか。

開けるとうるさいだろうし、でももしこのまま起きられると私ただキッチンに不気味に突っ立ってるノーブラ貞子で今度はきっとあっちが悲鳴上げそうになるだろうし。

電子レンジのドア開けると今度は閉めるのがうるさいしな。

開けたまま放置するか?それもどうなんだろうな。

下らないことで迷ってると

ピーーー!

って電子レンジが催促し出して、急いでドア開けてマグカップ取ってうるさいけど仕方なくドア閉めて顔上げたら、彼の目がこっちを向いていて私は硬直した。

私:「……はろー…。」

気まずさマックスの私。

上半身裸イケメン :「Hey~ 」

微笑みながら慣れた様子で眠たそうに返事をする彼。

まあ~綺麗な目の色をしていらっしゃる…。

って見惚れてる場合ではない。

へーい、じゃないんだよ。君の家じゃないんだよここは。私がお邪魔して気遣ってる来客みたいになってるじゃないか。

お前がいるから私が朝一番に1人で過ごせるはずだったリビングの空間がないんだよ。

で、彼起きるのかと思ったらそのまま目また閉じた。

起きろー!二度寝するなー!

って言いたかったけど、他のルームメイトとの関係性も知らないなか何も言えないわって思って

居場所がないから仕方なく私は自分の部屋に戻った。

こんなクソ寒い部屋だから白湯でちょうどよかったって考えながら少し飲んで、エアコンの温度を26度に上げて、また横になり目を閉じた。

 

***************

二度寝したみたいで、他のモデルがリビングで騒いでいる声で目が覚めた。

携帯で時間を見たら既に昼前。

少しでもちゃんと寝れてよかったって考えながら、リビングの美女たちと合流。

「おはよー!」

ジムに行く前なのかジムウェアを着るナイスボディーベネズエラ美女。

起きたばっかりなのか上半身ブラ姿のソフトフェイスブラジル美女。

メンズTシャツをダボっと1枚羽織るひょろひょろロシア美女。

その迫力に圧倒される貞子。朝からこの部屋ではセクシー撮影でも行われてるのか。

もうほんと、目のやり場に困るわ。

南米の女の子たちは本当に元気が良くて陽気で、悪く言うとただただ騒がしい。

基本スペイン語かポルトガル語を喋る子って陽気だし、踊りだしたり歌いだしたり、笑い声も大きいし。

Tシャツロシア人美女も負けずと参戦してるから3人分のはしゃいでる声が私のベッドルームに届いてたわけか。

さっきの裸男の姿は見えない。

私:「朝、リビングで男の人寝てたけど」

私が話を切り出すと共に、3人が笑い出した。

ジムウェアベネズエラ美女:「あいつ、私たちと同じ事務所のモデルだよー!メンズモデルは隣のアパートに住んでるの。」

どういう流れでその男がうちに来ることになったかは分からないけど、まあ想像はつくが、夜中騒がしかったのはきっとみんな酔っぱらってたんだと思う。

ブラ姿ブラジル美女:「昨日あいつ、私たちとスリーサムしようとして部屋に入ってきたから2人でリビングに追い出したのー!」

隣の部屋の2人がケラケラ笑いながら言ってきた。

スリーサム……。

ってあのスリーサムですか…。

AVだけの話じゃないんですか。

特に何も変なこと言ってませんけど、みたいな流れでみんな普通に伝えてくるけど、

なかなかこのモデルたち言ってることヤバいぞ…。

家が近いからと言うこともあって、そのメンズモデル含めみんな一緒にクラブから帰ってきたらしい。

ジムウェア美女とそのスリ―サム男がクラブで良い感じだったらしいんだけど、いつの間にかそのスリーサム男のターゲットが女2人に変わってたとか。

ブラ姿ブラジル美女:「全然あいつ帰ろうとしなくて、大変だったの~」

で、その部屋から閉め出された上半身男がソファーで力尽きたわけか。

二兎追うものは一頭も得ずってこういうことなのかな。

海外到着早々訳が分からないけど、

隣の部屋でスリーサムが繰り広げられなかったことにホッとした。

うちのアパートがたまたまパリピモデルたちの集まりなのか、海外のモデル界が全部こうなのかは分からないけど、

到着2日目から海外ドラマみたいな流れになっていて、

海外モデルの恋事情はなかなか複雑みたい。

先が思いやられそうだわ…。

とりあえず私は昨日の夕方からバナナ1本しか食べてないから、とっととご飯買える場所を探そう。

 

モチベーション

★★★★★★★7

ピュア度

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★34

空腹感

★★★★★★★★★★★★★★14

このストーリーは実話に基づいています。

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タイトルなんてどうでもいい。 3日目 駆け出しモデル生活のリアル

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前回のお話↓

【モデル界裏話ストーリー】「タイトルなんてどうでもいい。」1日目 美女たちとのご対面

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