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MODEL STORY

タイトルなんてどうでもいい。20日目:私の初めてのティンダ—経験

2020年4月21日

海外モデル契約90日

20日目:私の初めてのティンダ—経験

 

午前中、いつものようにジムに行く私。

新しい街で事務所が契約しているジムはなかなか高級なところで、

豊富な数のマシンが並んでいる1階には、ワークアウトを促進するようなイケイケな曲がガンガン流れている。

2階のスタジオではボディートレーニングやズンバダンスのクラスが開かれていて、

綺麗な所だからか、街中のモデル事務所がこのジムと契約をしているため、

「海外モデルたちが集まるジム」としてのブランディングが完全に成り立っていた。

このジムに来る現地の人たちも富裕層が多く、

仕事も身体作りもしっかりしているような、エリートっぽい若者が集まっていて、

言わば、「できる男」が女に話すチャンスを常に伺っている場でもあった。

話しかけられるのを嫌がるモデルもいて、マシンは使わず個室に行って1人黙々と筋トレをする子や、

ジロジロとみられるのが嫌でジム自体行かない子もいたり、

私と同じ部屋のリアルバービーとエキゾチック美女はあまり自分からは進んで行こうとはしない。

 

私がマシンで走るのを終え、1階の隅でマットを広げストレッチをしていると

近くで筋トレをしていたゴリゴリの男が近づいてきた。

ジムで話しかけられる時って百発百中ストレッチ中だと言ってもいい。

ゴリゴリ:「君、最近引っ越してきたの?」

見た目とは裏腹に優しそうな彼。

私:「何で分かったの?」

優しいゴリゴリ:「見かけない顔だから。」

流石、みんなの顔を把握しているから新人とすぐ分かるみたい。

彼は私がストレッチ中離れてくれず、私もノーと言える性格でもないから、結局20分程話していた。

優しいゴリゴリ:「良かったら今度ご飯行かない?連絡先聞いてもいい?」

乗り気じゃなかったけど、20分も話した後に断りづらく、鬱陶しかったら後でブロックすればいいやと思い、私は彼に連絡先を教えた。

 

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リアルバービー:「暇だね~。」

昼過ぎ同じ部屋の美女2人とリビングでくつろいで話していた。

ショートワンピースを着たリアルバービーがソファーに寝転び、ソファーの3分の2が脚になっている。

細くて長くて、バービー人形の脚そのもの。

エキゾチック美女は私と一緒にダイニングテーブルの椅子に座り、綺麗なストレートのロングヘアをとかしていた。

メンズ3人は朝からオーディションに行っていて、私たち女子は家ですることもなく巨人たちが帰ってくるのを待っていた。

流石に侍も3日連続ではサボれないからと渋々同行。

スローシーズンなのか、全体的にオーディションが最近少ない気がする。

私:「暇だね~。」

3人でダラダラしていると、エキゾチック美女が話を切り出した。

エキゾチック美女:「私、面白いこと聞いたんだよね!」

彼女によると出会い系アプリのティンダ—に登録して、自分のインスタグラムをリンクするとフォロワーが増えるとか。

モデルたちの間でそれが戦略として使われているとか。

お転婆のエキゾチック美女が綺麗なグリーンの目を光らせて、小悪魔な笑顔を私に向けてきた。

私もソファーのリアルバービーに視線を送り、

2秒程の沈黙後、早速ティンダ—をインストールする私たち。

お互いにこの写真がいいんじゃない?それがいいんじゃない?と選び合い、

とりあえず1枚だけトップの写真を載せて、プロフィールに「モデル」と書いて登録して待つ私たち。

 

5分もしないうちに3人の携帯の通知が鳴りやまなくなった。

 

凄い!!!!

 

フォローがみるみる内に増えていく。

エキゾチック美女:「やっぱりこの国の男性、積極的だよね!!」

味を占めた私たちはモデルの写真を更に4枚ほど足すことに。

水着でのセクシーショットの写真、モデルナイト前に撮ったドレスアップ姿、パジャマ姿の無防備なセルフィ―。

男を引き寄せる全ての武器を出し、出会い系サイトに挑むモデルたち。

メッセージも次から次と送られてきて、1時間もしないうちに私のインスタグラムのフォロワーが100人を超した。

まさかのティンダ—でこんなにフォロワーが伸びるとは…。

 

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それから2時間ほどし、男のマネージャーから電話が入った。

マネージャー:「カリナ!!大変なことになっているぞ!!」

電話越しにかなり焦っているのが分かる。

「最近、男の家に行ったか?」

「電球買ったか?」

「ストーカーは?」

マネージャーに謎の質問を次から次とされる私。

訳が分からず聞いてみると、

午後、彼が同じジムに行った際に、ジムの男たちが私のことを噂していたらくて、もの凄い言われようだったとか。

 

ある男がティンダ—の私の画面を開き、

「このモデルは彼氏がいない」ってみんなに情報提供したらしくて

男2:「あーこの子今朝見たよ」から話が始まり

男3:「ただでセックスができる」とか

男4:「あ~おれはもうそいつと寝たよ」

男5:「俺も昨日そいつとデートした」だったり、

男6:「俺はデートに誘われた」

男7:「言い寄られてるんだよね」とか

男たちによる意地の張り合いがさく裂していたらしい。

それを聞いて唖然とする私。

 

はー………そーなっちゃうんですね。

 

マネージャーの焦りを全て理解した。

終いには、

男8:「掃除がしたいって言って家に押し入られた」とか

噂はどんどんエスカレートしていき、

男9:「俺はその女にストーカーされて大変だった」

ストーカー……。

男10:「電球の変え方が分からないから手伝ってって家に誘われた」

電球ぐらい1人で変えれるわ!

男11:「家でバク転を見てほしいって言われた。」

体傷めるわ!!

 

私は自分が知らない間にとんだ変態と化していた。

変わり果てた自分の姿が信じられなくて電話越しに必死に笑いを堪える私と、

どこまでが真実か分からず、暴走した自分のモデルを必死に止めようと真剣に話す男マネージャー。

侍やマフィア以上に私がダントツに変わり者になってしまっている。

きっと今頃周りからは、あのモデルアパートやべぇ奴の集まりだって

あの新人ぶっ飛んでるって言われているに違いない。

更に詳しく聞くと、あの今朝のゴリゴリ男が

「俺はその女の連絡先ゲットして、既にご飯にも行った」

と私の連絡先を見せびらかしていたらしい。

アイツめ…。

優しくもなんともない、ただの嘘つきなゴリゴリだった。

今朝ちょうどジムに行ってタイムリーだったからか新人だからか分からないけど、

なぜか私の噂だけが流されていたみたいで、

引っ越してきて3日、噂によると私はとても忙しい男漬けの日々を送っていた。

マネージャー:「男に飢えるのは自由だけど、気を付けてくれ。」

最後に忠告を受け、何も言い返せないまま私は電話を終えた。

 

***********************

夜、オーディションを終えたメンズモデルたちが帰ってきた。

侍:「よっ!ストーカー!」

既にマネージャーから聞いたみたいで

嬉しそうに茶化してくる侍。

マフィア子分も後ろから入ってきて

マフィア子分:「バク転見せてよ」だったり、

ダンディーも笑っていて

ダンディー:「俺たちの部屋だったらいつでも片付けてくれていいよ」

終始ルームメイトたちにネタにされた私。

その日から私は1人ではジムに行けなくなった。

噂の力って恐ろしいな…。

 

モチベーション:

★★★★★★★7

ピュア度

★★★★★★★★★★★★★★★★16

噂の恐ろしさ:

★★★★★★★★★★★★★★★15

このストーリーは実話に基づいています。

前回のお話↓

タイトルなんてどうでもいい。 19日目:勇気あるゲイボーイ

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タイトルなんてどうでもいい。第一話目↓

【モデル界裏話ストーリー】「タイトルなんてどうでもいい。」1日目 美女たちとのご対面

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