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MODEL STORY

タイトルなんてどうでもいい。 19日目:勇気あるゲイボーイ

2020年4月20日

海外モデル契約90日

19日目:勇気あるゲイボーイ

午後私たちはワゴン車に乗ってオーディション会場に向かった。

昨夜べろんべろんになった侍はもちろん2日酔いで、部屋にこもりっぱなし。仕方なくメンズ2人とレディース3人で向かうことに。

まぁ侍のことだから元気でもきっとサボっていただろうけど。

新しい街で初めてのオーデション。緊張気味で会場に向かう私。

今日はブラントの新作コレクションのモデルの選抜で

いつもと変わらず会場は既に美男美女で溢れていた。

ルームメイトみんなで順番に名前を書き、スタジオを通り、隣の待合室に進む。

街が変わってもやることはそんなに変わらないんだな。

広い待合室の真ん中に30人ほど座れる長テーブルがあって、モデルが10人ほど待っていた。

壁で区切られている向こうがスタジオで順番に呼ばれるみたい。

ちょうど長テーブルの反対側に美男子が1人座っていた。

他のメンズと変わらずイケメンなんだけど、どちらかと言うと綺麗な男の子っていう言う方が合っている。

欧米人で目がパッチリしていて、

彼の可愛らしい仕草からすぐにゲイと言うことは分かった。

やっぱりゲイが多い海外モデル界。

日本もカミングアウトをしてないだけで多いのかもしれないけど。

この美男子が、私の後ろから入ってきたやんちゃな見た目のマフィア子分を見た途端、目を輝かせた。

運命の相手を見つけたかのような表情をしていて

まるでディズニープリンセス。

選ぶ相手を完全に間違えている。

何となくだけど、この先が予想できてしまう私たち。

そのまま美男子が私たちに近付いてきた。

ルームメイト全員が全く同じことを考えていたと思う。

よりによってマフィア子分…。

ダンディーでいいだろ。

美男子:「ねぇ。超タイプなんだけど。」

マフィア子分の隣に椅子を持ってきて、彼の性格も知らず堂々と口説く美男子。

答えることすらせず、美男子に殺し屋の眼差しを送るマフィア子分。

空気が読めないのか、一向に引こうとしない美男子。

美男子:「名前、何ていうの?」

マフィア子分:「うるせぇ。あっち行け。」

小さい声でマフィアが言った。

美男子:「教えてくれたっていいじゃなーい。」

美男子が可愛く言う。

その光景をハラハラしながら見守る私たち。

これはヤバい展開になりそうだ。

ダンディーが何とか会話に入り、美男子の気をそらそうとする。

ダンディー:「オーディション今何番目?」

ダンディーには目もくれず、素っ気なく番号を伝える美男子。

彼の関心は完全にマフィアに向いている。

リアルバービーがマフィアに話しかけようとするんだけど、既にイライラがエスカレートしているマフィアは彼女を無視し、私たちにできることは1つもない状況。

積極的な美男子は諦めることなく、隣のマフィアに熱い眼差しを送り続ける。

美男子:「タトゥーセクシーね。」

タトゥーをしている奴ぐらい他にもいる。

マフィアは止めておくんだ。

美男子:「体にも入ってるの?」

いつキレてもおかしくないマフィア子分。

そう言って美男子がマフィアの腕に触れた。

そして私たちが想定していたことが起きた。

マフィア子分:「うるせえんだよ!!俺に近づくんじゃねぇ!」

マフィアの怒鳴り声で会場が一気に静まり返り、ダンディーがキレたマフィアを落ち着かせようとする。

そのままダンディーがマフィアを外に連れて行こうとするんだけど、アイツが出て行けばいいと美男子を指さすマフィア。

何とか落ち着き、会場スタッフは問題児をできるだけ早く追い出したかったのか、マフィアとダンディーのメンズ2人が優先的にスタジオに呼ばれた。

イライラしてるマフィアは隣の部屋でもフォトグラファーや会場スタッフに八つ当たりをしていて、

喧嘩を売っている声が聞こえてくる。

手に負えない問題児だ。

かと思ったらオーディションが終わって待合室に戻ってくる時にすれ違った他事務所のレディースをナンパしているし、

ここまでクレイジーの一言が合う男はいない気がする。

侍といいマフィアといい、

私はヤバい奴らと一緒に住んでいる。

 

待ち時間、私は会場にいる他事務所のモデルたちと話していた。

「どこ出身なの?」

私:「日本だよ。」

「え!日本?!いいなぁ~。」

この海外に来た半月で、私は世界のモデル界でのコネクションが一気に広がった。

みんな各国で契約を取っているため、世界中の情報が入ってくる。

日本人って人口の25%しかパスポートを持ってないらしい。

で、日本のパスポートは世界最強らしい。

モデルでもビザの関係があるからそれは凄く強くて、

他のモデルが羨む権利を私は持っていた。

海外に来てまだ短いけど、モデル界に対する視野が広がったし

同じモデルたちと住むことが刺激的で勉強になるのも確か。

ほぼ毎日あるオーディションの無茶ぶりのおかげで、ポージングや演技の技術も身についているし、

こんな過酷な環境で過ごす中で、知らない環境で生き抜く適応力は確実に上がっている。

何よりも海外モデル界の生きた情報が入ってくるのは有難い。

「ここの国のモデル界が今アツい」

「あの事務所がおススメ」

「あそこのマネージャー知ってるから繋いであげるよ」

「この事務所のヘッドマネージャーは彼」

契約貰える貰えないは別として

いつの間にか私は世界中のマネージャーの連絡先を知っていた。

日本にいた時に1人で苦労しながら、パソコンで調べて1年近くかけて集めた情報量が

3週間もしないうちに越されている。

こんなに簡単にコネクションが広がるのか…。

他のモデルを通して直接マネージャーに連絡が取れるのは強いことで、

一般応募をすると海外事務所の場合、9割返事すら返ってこない。

日本にいる時にマネージャーに言われた一言を思い出した。

「日本のモデル市場にフォーカスしなさい。ハーフのあなたの場合、早くて2年ほどでモデル一本で生活ができるようになる。」

2年…。

果てしなく長く感じた。

それももちろん一つの手だと思う。

でもバイトをしながらオーディションに行く毎日、

私は一体いつまでこれを続けるんだって思ったこともあった。

契約をもらうと3ヶ月という短い期間だけど、モデル1本に全力でフォーカスできる。

行きたい国ももちろんあるけど、

国とか環境にこだわっていたら私は今頃まだ契約ももらえずに写真を送る日々を送っていたと思う。

 

***********************

その後、私たちは無事オーディションを終え、

帰りの車の中では互いの文化を冗談でバカにしたり、ライフスタイルの癖だったりを指摘し合ったり、

5人で騒いであっという間にアパートに着いた。

契約開始してからというもの無茶ぶりの連続だけど、

何も分からない中、海外にとびこんでみるのも悪くないな。

 

モチベーション:

★★★★★★★★7

ピュア度

★★★★★★★★★★★★★★★★★17

マフィア子分のヤバさ:

★★★★★★★★★★★★12

このストーリーは実話に基づいています。

前回のお話↓

タイトルなんてどうでもいい。18日目:自由気ままなラテン侍

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タイトルなんてどうでもいい。第一話目↓

【モデル界裏話ストーリー】「タイトルなんてどうでもいい。」1日目 美女たちとのご対面

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