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MODEL STORY

タイトルなんてどうでもいい。 13日目:ワガママなパンツ一丁男

2020年4月12日

海外モデル契約90日

13日目:ワガママなパンツ一丁男

今日行ったオーディションは何かと意味不明で、

私は海外モデルたちのエチケットの無さとオーディション会場のスタッフたちに不満があるからここでまとめて報告したい。

 

午後1時。

いつもの様にルームメイトの美女たちと車で会場へ向かったんだけど、

今日はメンズとレディースモデル混合のオーディションで会場は既にごった返していて、

リストに書いた自分の名前は72番。

今日もきっと数時間がかかるだろな~って憂鬱になりながら待っていた私。

会場は今日も美男美女で埋め尽くされていて、

その中にチビの私がいる。

レディースは大体173センチは超えてるし、メンズは190前後ばかり。みんな海外出身でガタイも良くて、巨人族の中に小人が1人迷い込んだ気分になる。

属す村間違ってますよ、

あなたの村あっちですよって。

で、広い会場に幾つか試着室があって大量の服がかかったラックがずらーっと並んでいて、

巨人たちが順番に渡された服を持ってどんどん試着室に入っていくのを見送りながら

私も自分の順番が来るのを待っていた。

この待ち時間が最近本当に苦痛で、

特に何もできないし、他のモデルを見てると自分のことが嫌になってくるし、

早く私の順番来て帰れないかなって考えてたら、

「え~っと今からランチ休憩取ります。」

っていきなり会場スタッフが座りこんでご飯食べだして、

このタイミングでですか…?!ってもう驚きしかなくて、

何で私たちはあなた方がランチしている姿を眺めないといけないんですかって、

せめて順番でランチ休憩とったらオーディション進められるだろ。

なんで一斉に休憩取るんだって考えながら

効率が悪すぎるスタッフに私たちモデルは不満しかなかった。

 

やっとのことでスタッフによる謎のランチ会が終わり、オーディションが再開したんだけど、

休憩中も新しいモデルがどんどん会場に入ってくるし、

もう途中から試着室が間に合ってなくて、あるメンズモデルが外で普通に着替えだして、

でそれをあるイケイケな友達らしきレディースモデルが真似しだして、

「私ナイスボディーなの」

って言わんばかりに、そのメンズの横に下着姿で近付いて行って、

下着姿のカップルセルフィ―みたいなものを鏡の前でノリノリに撮りだす2人。

あの~、一応ここ公共の場ですよ。

私たちモデルは仕事上露出に慣れているけども、

ファッションショーとかで普通にメンズモデルたちの前で胸をポロリすることもあるけども、

一応オーディション中ですよって思いながら

そんなモデルたちを見て内心私は呆れていた。

やっと私の番が近づき服をスタッフに渡されて、一番近い試着室の前で待っていると、中から着替えを終えたレディースモデルが少し不機嫌な顔をしながら試着室から出てきて、

不思議に思ったけど特に私は気にせず彼女と入れ違いに試着室に入ると、なぜかパンツ一丁のメンズモデルが既に試着室内の小さな椅子に座って携帯ゲームをしていた。

私:「あ、ごめん!」

誰もいないと思い込んで入ったから咄嗟に私が謝ったら、

「あ、俺服待ってるんだよ。」

って彼。

サイズが合わなかったみたいで、スタッフが彼のサイズを今取りに行ってるとか。

次の彼の口から出た言葉が私は信じられなかった。

パンツ一丁男:「あ、大丈夫。俺、別に見てないから。」

…は?

このまま私に着替えろと…?

いや、お前が出ればいいだろ。

まず私の番だし。

ここでパンツ一丁で待機されると待ってるみんなに迷惑かかるんだよ。

「俺こんな格好で外出たくないし。」

服着ればいいだろー!

面倒くさいだけだろー!

1回出てしまうとまた並ばないといけないかもしれないし、服を着る手間を省きたい彼は試着室でパンツ一丁で待機するという選択肢を選んだ。

さっきの不機嫌なレディースモデルの理由が分かった。

後ろを見ると既に列が出来ていて、私がなんでモタモタしてるのかみたいな顔でみんな見てくるし、

やっと来た72番で私もこれ以上は待ちたくないし。

全く動こうとしない彼を見て、渋々試着室に入って服を脱ぎだす私。

モデルってオーディションとか仕事の時は服に写らないように肌色の下着を着るんだけど、

ま~私が今日着てた肌色の下着がダサくて、まさかメンズモデルに見られるなんて思ってなかったし、

どうかゲームに集中しててくださいって願いながら、

いやこんなエチケットゼロ男にそんな配慮しなくていいんだよって思ったり、

それでも自分の中で女としてのプライドが戦っていて気にしながら着替える私。

ババ下着のモデルとパンツ一丁のメンズモデルが同じ試着室にいるっていう謎の光景が広がっていた。

もしここで誰か間違えてカーテン開けたら絶対に勘違いするだろなって思いながら、

出来るだけ早く着替えて、私も不機嫌な顔をしながら試着室から出たのを次のレディースモデルが不思議そうに見ていた。

 

その後写真を撮り、無事にオーディションを終えて、ルームメイトたちは違う着替えを渡されていたんだけど、

スタッフに「あなたはもういいわ」って言われたから、

あ~また受からなかったんだなって考えながら1人落ち込み気味に会場外に出た私。

ちょうど会場の向かいにベンチがあって、外は既に日が沈む時間で、今日もこうやって1日が終わるのかって考えてたら横から歩いてきた男に声をかけられた。

「よっ!元気にしてる?」

癖っ毛のブロンドヘア、長身、色白、やたらと顔が整っている欧米人の彼。

スリーサム男だ。

スリーサム男:「今日もオーディション面倒だよな~。」

そしてあなたは今日も変わらず綺麗な目をしているよな~。

ヘーゼル色の目、ゴールドに近い色で太陽の光が入ると更に明るく見えて綺麗。

もうそのキラキラした目を私に向けながら話してくるんだけど、犯罪並みにカッコいい。

レディースモデルたちはみんな彼に夢中。

スリーサム男:「俺さっき起きたばっかでさ~。オーディションあるって聞いて焦って髪の毛も何もせずに急いで来たよ~。」

海外の人って髪の毛セットしてなくても癖っ毛が既に様になっていて、

私のアメリカ人の父はくるくるカールだから私も癖っ気なんだけど、なぜか起きてすぐ家を出れそうな状況からは程遠くて不公平に感じてしまう。

ちなみにこのスリーサム男は私のルームメイトの美女たちとスリーサムをしたがっている奴で、私が勝手にそう呼んでいる。彼はもちろん知らない。

なぜ彼が遅くに起きたかは既に想像は付くから何も聞かなかったんだけど、彼が1人でペラペラと話し出した。

スリーサム男:「今日朝帰ってきてさ、寝た女がさ~、全然帰ってくれなくて大変でその後二度寝しちゃってさ~。」

特に私は彼のセックスライフには興味なかったけど、とりあえず聞いてみた。

私:「毎晩遊んでんの?」

スリーサム男:「そうだな~。こういうオーディションとかで声かけたり、モデルナイトでそのまま一緒に帰ったり、アフターのハウスパーティーでそのままいい雰囲気になったり。」

普通のことのように話す彼。

スリーサム男:「ほら、あそこにいる女。」

そう言って彼は会場すぐ外に立っているレディースモデルを指さした。ロングヘアをなびかせながら他のモデルたちと話している美女。

「あいつは水曜日の女。」

私たちが見ていることに気付いた彼女は彼の方を見て

あはっ♡みたいな感じで手を振ってるけど、もう私は衝撃を通り越して無に近い状態で、

スリーサム男:「で、向こうに見えるあのブロンドの子。あれは俺の元セフレ。他にも月、木って今契約してる女もいる。」

契約…。

なんの契約だ。

性病をシェアし合う契約ですか?

ちょうど私たちの前をオーディションを終えたレディースが1人通り過ぎて行ったんだけど、

スリーサム男:「あ、俺アイツとも寝たわ。その後全く話さなくなったから気まずいけど。」

この会場の半分以上の女と寝てるんじゃないかこいつは?

もうなんて返したらいいのか分からなくて、とりあえず私は手に持っていたペットボトルから水を飲んでたら

「カリナも俺と契約組む?」

って軽く言われて、口に含んでいた水を彼の顔を吹きそうになる私。

「って冗談だよ~」

って笑いながら私の頭を撫でるただのチャラ男。

触れるな私に。

病気がうつる。

 

その後ルームメイトたちも無事オーディションを終え、私は何とも言えない気持ちで車に乗り込んだ。

帰り道、私は窓の外を見ながら考えた。

普通の子ももちろんいるんだろうけど、

やっぱり海外のモデル界は少し感覚がおかしいわ…。

 

モチベーション:

★★★★4

ピュア度

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★23

この業界のめちゃくちゃ度:

★★★★★★★★★★★★★★★15

このストーリーは実話に基づいています。

こんな感じの奴らいっぱい↓

スリーサム男との出会い↓

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