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タイトルなんてどうでもいい。32日目:海外モデル契約は9割がブラック

2020年5月22日

海外モデル契約90日

32日目:海外モデル事務所は9割がブラック

 

海外でのモデル契約が始まり1ヶ月が過ぎた今、私は所属事務所が契約違反している可能性があることを発見してしまった。

まさかの

お金が

間で

抜かれている可能性が高い。

そしてきっとかなりの金額。

 

契約書上、仕事1本につき30%が事務所の手数料として引かれるんだけど、昨夜マネージャーからもらった明細を見ていろいろと計算するとどう頑張っても数字がおかしくて、記載されている各仕事単価が異常に低い。

きっと嘘の仕事単価を書いて、実際クライアントからはもっと貰っているはずで、

この海外モデル契約の3ヶ月間で、事前に事務所が負担している費用を返さないと私の利益はないんだけど、ちょうど契約終了時に綺麗に利益が私の手元に残らない様に計算されてるんじゃないかって思うぐらいで、順調に借金を返せない明細内容になっていて私の心は沈んだ。

海外モデル契約金額システムはこちらのエピソード↓
タイトルなんてどうでもいい。 9日目 鬼の契約システム

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いや、まだ私の単なる勘違いで、本当に仕事単価が低いだけかもしれない。

 

自分のベッドに寝転びモヤモヤと考えるんだけど、埒が明かないから仕方なく部屋を出たら、ちょうどキッチンで一緒に料理をするルームメイトの美男美女カップルがいた。

14歳の年の差カップル。

いつの間にか付き合っていたこのカップル。

2人とも美しぎて、レトロ風のキッチンがキラキラと輝いている。

美男美女のルームメイトたちとの出会いはこのエピソード↓

タイトルなんてどうでもいい。17日目:キャラ勢揃い

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そしてそんな熱々な2人のムードを完全に壊す私。

空気を読まないまま話を切り出した。

私:「マネージャーから明細もらったんだけど、おかしんだよね…」

事情を話すと彼氏の方が、髭で顔が覆われているイケメンが顔で私に言った。

ダンディー:「やっぱりそうだった?どの事務所も抜いてるんだよな実は。」

どの事務所もやってるんですか?

ダンディー:「世界中どこに行っても、事務所は同じことをしてるね。」

しかも万国共通で?

ベテランモデルの言葉を聞いて愕然とする私。

確かに、日本でも撮影時に他事務所のモデルと一緒になって、撮影中に仲良くなった流れで帰りの電車でリアルな話を始めて、幾らもらうことになってるかって聞いたら、若干自分の貰う金額と異なることが多くて、

お互いに「え…?」って一瞬気まずくなることは結構あったけど。

隣に座っている電車の中で、変な沈黙が数秒流れることはあったけど…。

日本以外でも起きてるですね、同じことが。

 

海外モデル事務所に受かり、契約書にサインする時に1つ引っかかる点があった。

いや、正直10個はあった。

なかなかめちゃくちゃな条件だなって思いながらも念願の海外契約の獲得。このチャンスを逃したら次の契約がいつになるか分からないと思い、すぐにサインをし事務所の気が変わらないうちに契約書を送り返した。

そしてその条件の1つが、

・クライアントに金額の確認をしないこと

そしてその下に

・他事務所のモデルと金額の話をしないこと

私たちモデルがすることがしっかりとバレている。

ただ、これをしたらいけない理由を考えたんだけど、タブーという他に事務所が有利な立場になるためのものにしか聞こえない。

 

何かできることはないかと考えて、私が2人に言った。

私:「私、今からクライアントに確認する。」

私の言葉を聞いて顔色を変える美しすぎるカップル。

ダンディー:「止めておいた方がいいよ。

例え抜かれていたとしても証拠を掴む前に、してることがバレたらカリナが契約違反になってしまう。クライアントが先に事務所にこんなこと聞かれたって言うかもしれない。事務所はどうにでも隠せるからね。」

ベテランモデルの彼は話口調が優しくて、こういう時でも落ち着いてアドバイスをくれる。その優しさに見惚れている彼の横に立つ彼女のエキゾチック美女。

そしてそんな見惚れた彼女に優しく微笑む彼氏。

映画のワンシーンですか?

って私はこのラブロマンスを見ている場合ではない。

 

確かに、現時点で私が事務所の契約違反を暴く方法はない。事務所がクライアントと交わした契約書を手に入れるか、クライアントから直接聞くか…。

そして万が一数字が合っていたら、今度はクライアントに金額を確認した私が一方的に契約違反となるけど、このまま残りの契約を続けたところで私は事務所のために稼いでいるだけになる。

海外でモデルの仕事ができることは嬉しいけど、こんな明細を見た後じゃ流石に私のモチベーションが持たない。

 

ということで私は覚悟を決めた。

先に契約違反をした可能性が高いのは事務所であって、

例えこっちが契約違反となってもどっちが先かを証明すればいい話。

そしてきっと仲の良いクライアントなら正直に教えてくれる気がした。

早速クライアントへメッセージを打った。

 

メッセージ:「お元気ですか?♡」

 

ハートの絵文字を入れて可愛く金額を聞いてみよう。

モデルがハートを打つ時は何か企んでいるかもしれないから、みんな気を付けるんだ。

送信ボタンを押し、事務所を暴くか、事務所に暴かれるかのレースが始まった。

 

30分後、

返事なし。

取り返しのつかないことをしたのかと少し心配になる私。

 

1時間後、

返事なし…。

事務所に言われたんじゃないかっていう嫌な想像が頭をよぎり始める。

 

ハラハラしながら1時間半待っていると返事が来て、向こうも久しぶり~♡ってハートを返してくれて私たちは両思いになった。

腹黒い私の下心なんて知らず、フレンドリーに返してくれる海外クライアント。

 

軽く事情を話すと意外にも、それは酷い話だね~って言いながら、案外あっさりと本当の金額を教えてくれて、

ホッとしたのは良いんだけど、なんと実際に事務所が受け取った金額は、明細に書かれている2倍近くで私は自分の目を疑った。

 

いや~斬新な抜き方ですこと。

怖いものなしでお見事ですって

もはや怒りを通り越して感心してしまう。

そしてこれを暴いたモデルは今までいなかったのかしらって聞きたくなってしまう。

 

 

今までこの事務所はかなりブラック寄りのグレーじゃないかと思っていたけど、

何とか自分の中で言い訳を付けてそのグレーのグラデーションを変えてホワイト寄りにしていたけど、ここで確定した。

この事務所は濃いグレーでも薄いグレーでもなく真っ黒だ。完全にブラックだ。

 

日本のモデルたちよ、私も怖かったけど、金額を聞くなんてずっとタブーなことだと思っていたけど、

クライアントは意外と私たちの見方なんだよ。私たちモデルには真実を知る義務はあるんだよ。

 

さぁこれからどうしましょうって考えていると同じ部屋の美女、リアルバービーがちょうど撮影から帰ってきて、仕事で疲れているであろう彼女に私は不満をぶちまけた。

バービー人形そっくり美女の彼女は各国でのモデル契約を取っているかなりのベテランだから、私の不満を理解してくれるはずと思ったけど、

落ち着いて私の話を聞いてくれた彼女の返事は想定外なものだった。

リアルバービー:「カリナの気持ちは凄く分かる。でも、この業界で生き残りたいなら、マネージャーに気に入られることも必要。例え金額を誤魔化されていたとしても、それを受け入れることも必要なの。事務所は私たちモデルの費用を負担していて、それをカバーするために5%ほど多く手数料をとることもある。」

彼女の口から出た言葉が私は信じられなくて、

でも他のモデルたちが何も言わないのもきっと、そんな業界だって受け入れているからであってそれが当たり前になっているのかもしれない。

ブラック企業で働く人たちはブラックって分かっているのに抜け出せない。

リアルバービー:「最近凄く順調に仕事を取っているでしょ?でも事務所と上手く関係を築けないと、それが全て無駄になってしまう。マネージャーに気に入られないときっとこれから仕事も入ってこなくなる。そういう世界なの。」

ってことは、上手く関係を築く=事務所の言いなりになるってこと?

5%でも3%でも誤魔化された時点で契約違反じゃないのか?

何も分からない若いモデルたちを不利な状況に立たせて、良いように利用しているだけなんじゃないのか?

そんなの間違っていると言いたかったけど、ベテランモデルの2人から意外な反応が返ってきて、私はただ1人モヤモヤしていた。

 

*********************

夕方、私は他のルームメイトたちが帰ってくるのを待っていた。

私のアパートにはあと2人ぶっ飛んだ、クレイジーな奴らがいる。

 

このこと話したら彼らは何ていうかな?

 

モチベーション:

★1

ピュア度

★★★★4

事務所への不満:

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★20

このストーリーは実話に基づいています。

タイトルなんてどうでもいい。第1話目↓
【モデル界裏話ストーリー】「タイトルなんてどうでもいい。」1日目 美女たちとのご対面

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